2ヶ月間「ファットアダプト食事法」に取り組んだ感想と考察その②。~自転車競技・有酸素運動へのアプローチ~

ファットアダプト

こんにちは!コーヤマです!

2ヶ月ほど前にサッカーの長友選手の書籍を読んでから「ファットアダプト食事法」に取り組んできました。前回は健康面での注意点を中心にお話ししました。

2ヶ月間「ファットアダプト食事法」に取り組んだ感想と考察その①。健康へのアプローチ~方法と注意点~
こんにちは!コーヤマです!2ヶ月ほど前にサッカーの長友選手の書籍を読んでから「ファットアダプト食事法」に取り組...

今回は自転車競技、有酸素系競技者としての視点から現在感じていることを記します。

スポーツ選手とファットアダプト

前回も触れましたが、長友選手はファットアダプト食事法により

・筋肉の質が変わりケガをしにくくなった

・免疫力が向上し病気になりにくく、回復力も上がった。

・身体のキレが増し、自己最高のパフォーマンスを発揮できるようになった

とのことでした。長友選手の最大のウリは無尽蔵のスタミナと(小柄ながら)抜群のフィジカルの強さ。

PFCバランスがP:F:C=22.5:57:20.5(書籍からの参考値)というかなり脂質に寄った食事法ですが、脂質をうまくエネルギーとして使うことでそのスタミナを発揮している。脂質代謝が非常に高い状態。自転車やランニングにも活かすことができる??

実際に私も試行錯誤しながら取り組んでみました。そこで感じたのは、

サッカーにおけるスタミナと有酸素競技のパフォーマンスは結構異なるだろうということです。

サイクルサッカー(ややこしいからやめろw)

ファットアダプト食事法と自転車競技の相性

結論から言ってしまうと、

あまり良くないでしょう。あくまで私が試した結果の感想ですが。端的に…FTP上がらないな、P/Hr改善しないなと感じました。

もちろんトレーニング内容や睡眠等も大きく関係しますが、私の場合は(オバトレで)力を大きく落としたうえでそこから戻すという過程でして、思った以上に早い段階で停滞してしまったと言った方がいいでしょう。トライアスロンをやめて自転車に専念しているので、ある程度は上がっていかないとおかしいのです。

先ほど申し上げたサッカーと有酸素競技の違い。サッカーはピッチを走り回るスポーツで、それ相応のスタミナが要求されます。が、実際には歩行・ジョグとスプリントがメインで、中~高強度で走り続けているわけではありません。マラソンとは明らかに異なる競技性です。言ってしまえば、

サッカー選手(のスタミナ要素)にVO2Maxの高さはそれほど求められていないのでしょう。スタミナの質が違うといえそうです。

高脂質食とトレーニングを組み合わせることで脂質代謝(脂質利用能)が高まる可能性は大いにあるのですが、それ以上に高脂質食の心臓への負荷が勝ってしまい、脂質は使えるのだがそもそものFTPやVO2Max、有酸素能力の上限が低くなってしまうということになると考えられます。

これはある程度予想してはいました。中~高強度ではどうしても糖質中心のパフォーマンスが求められますしね。低糖質高脂質では有酸素能力が犠牲になる。その中でどの程度のバランスが本当にファットにアダプトするといえるのか?と。

よって中強度以上のトレーニングの際は糖質を少し多めに入れていましたし、長友式とは言わないまでもP:F:Cを2:5:3とかそのぐらいだとどうなんだろう?高強度だともう少しトレ後の糖質を多めに…等と試してみましたがあまり芳しくない。おそらくバランスもそうですが…脂質量自体が多すぎそうです。

また、低糖質高脂質でも筋グリコーゲンや筋肉量自体はそれほど減ったりはしなそうです。トレーニング直後にある程度補給してやれば、思った以上に少ない量でも体重が減ったりはしませんでしたし、実際そのような実験をしたという論文もあります。が、有酸素能力という面では話が別ということです。

複数日にまたがる超ウルトラロングな競技でない限りは、メリットよりもデメリットが勝ってしまうかなと現段階では感じています。超ロングだと「補給を減らせる(=胃腸、内臓ダメージ減)」「脂質を超高効率で使える」メリットが勝るかもしれません。が、極端なファットアダプトは健康面に難があるのであまりお勧めはしません。

おそらく、ウルトラマラソンやブルベ、トライアスロンのロングでも、1日で済む程度の長さであればそれほど有利に働かないと思います。普通の食事をしつつ、脂質酸化を狙ったトレーニングをした方がローリスクハイリターンだと思います。

私も結構早い段階で長友式ファットアダプトのバランスには限界を感じたのでトレーニング直後の糖質を増やしたりと調整を入れましたが、それでも高脂質食自体が(かなり質に気をつけていても)相性があまり良くないだろうなという結論になりそうです。

PFCバランスについて再考する

もともとこのファットアダプト食事法にチャレンジしてみようと思ったのは、

・トライアスロンを始めてから故障に悩まされ続けていた

・オーバートレーニングで体調を崩した

ところに例の書籍を読んで、もしかしたら

・高糖質低脂質の食事が関係しているかもしれない

と思ったという理由があります。低糖質高脂質はやめるにしても、脂質自体のメリットはしっかり享受したいわけです。

そして2ヶ月取り組んだ現在感じていることは…

これ昔の食事とファットアダプトな食事のいいトコ取り…中間がちょうどいいんじゃね?P:F:C = 2:3:5 ぐらいかな?

一周回って一般的に言われるPFCバランスに戻ってくるという…w

バランスよく食べることが一番いいだろうということです。笑

この「バランスよく」のバランスってどんなバランスよ?という話であり、それが難しいのですが、結局のところ…先人たちが試してきた結果そのバランスに落ち着いたのかな…なんて。笑

ただこれは1日のトータルというよりは食事(3食)のバランスで、有酸素系競技者の場合はこれに補給をプラスする分1日のトータルでは少しCが多くなるかな?というイメージです。食事自体のバランスは一般人でも競技者でも極端には変わらないのかなと思います。

ただし全体的に総量が増えます。そのため注意しなければならないことが少し多くなると感じます。バランスもそうですが、耐容上限があると感じるからです。

総摂取カロリーが1500kcalの場合と3000kcalの場合と比べると単純に摂取量が倍なので、Cを増やすと血糖値が上下しやすく、Fを増やすと脂質異常症になったり有酸素能力に影響が出やすかったりするというわけです。まあ少なきゃ少ないで栄養不足の懸念があるのですが。

我々の場合は基本的に身体活動レベルⅢなので3000kcal摂取すると考えると、PFCが2:3:5だと

P600、F900、C1500(kcal)となり、

重量だとP150、F100、C375(g)となります。※Cは食物繊維を含む場合変わります。これがベストかはともかく、とりあえずわかりやすく…。

で、これを3食で割った場合…1食あたりのCが125gになるのですが、これを特に何も考えずに食べると血糖値が上がりすぎます。ここでリブレ実験が活きてくるわけです。なので工夫が必要になります。ちなみに白米1合でC120gぐらいです。

具体的には、(私の場合)

①朝のトレーニング後に集中させる

トレーニング直後は糖質摂取の最大のチャンスです。この糖質がガンガン骨格筋に流れていくタイミングで1日の半分以上を摂ってしまいます。Cに限らずPとFも。消化や枯渇具合のことを考えても朝がベスト。セカンドミール効果も望めます。

ざっくり朝1800kcal、昼600kcal、夜600kcalみたいな配分でいいと考えています。

②食後、血糖値が上がり始めるタイミングを狙って少し動く。散歩やスクワット、カーフレイズ、無駄に多少ジタバタしながら家事をするw等が手軽でおススメ。食後20~30分後あたりを狙って立ち上がること。座りっぱなしはダメ。

③昼と夜は血糖値が上がりにくい(吸収が穏やかな)糖質を採用する

GI値なんかは全くあてにならないのでリブレをつけて調べないと難しいのですが。ほかほかごはんは封印してもち麦ごはんにする等。

④(水溶性)食物繊維やたんぱく質系を先に食べる

正直に言って、血糖値の上昇を抑えるという意味では②>>>③、④です。上昇している血糖値をダイレクトに下げることができるので圧倒的で確実な効果があります。血糖値を抑えると言われている食事系の工夫は眉唾物です。食物繊維は血糖値対策というよりは腸活と思った方が良さげです(全く効果がないわけではない。上がりはするが多少緩やかにはなる)。リブレつければわかります。笑

要は糖質の許容量を増やすために血糖コントロールをするということです。

あと間食はしません。私はもともとほとんど間食しないので書くの忘れてました。ちなみに、食事から1~2時間後に小腹が空いて間食~というのはマジでやめた方がいいです。高血糖状態が延々続きます。笑

余談ですが、総摂取カロリーが2000kcalの場合、Cを150gにして600kcal、仮にF110g=約1000kcal、P100gで400kcalとして高脂質に寄せ、PFCが2:5:3となった場合でも(Fが耐容上限に達しておらず)健康的に成り立つ可能性があるかもしれません。血糖コントロールはかなり楽でしょう。※勧めるわけではありませんが有酸素のパフォーマンスを無視すればアリかもというレベル。あまり運動せず消費カロリーが少ないなら一考の余地あり?極端な糖質制限はダメゼッタイ

これは先ほどPFCを2:3:5に設定し、総摂取カロリーを3000kcalとした場合の脂質量とあまり変わらないのです。そう考えると、総摂取量が多ければ多いほどバランスの許容幅が狭くなってくるような気がしてきませんか?

結局のところ「バランス」よw

ファットアダプト食事法に取り組んで学んだこと

結局のところ三大栄養素は全て必要でありそれぞれがその代わりにはならず、低糖質の代わりに高脂質、高糖質の代わりに低脂質、というのはリスクやデメリットをはらんでいるのではないでしょうか。

個人的にはPFCバランスというよりは、各栄養素の摂取量で考えた方がしっくりきています。その結果、そういうバランスになるという印象です。

気をつけなければならないのは、太らなければいいというわけではないということです。余った血糖と脂質が結合することで体脂肪として蓄積されるので、糖質か脂質のどちらかを少なくしてしまえば、バランスが悪くても太りにくいです。

しかし高糖質低脂質の場合は血糖値が怪しくなりがちで、低糖質高脂質の場合はコレステロールや中性脂肪が怪しくなりがちです。日本人はやせ形の割に糖尿病になるという人が多いと言われていますが、そのあたりも関係しているのかなと思いました(もちろんもともとのインスリン関連の能力が…というのもあります)。

今回の実験では、脂質の質や血糖値関連、腸活関連など多くの知識を得ることができました。自分が今まで認識していたこととは異なる情報や、新たな知見…この2ヶ月で大幅にアップデートされたと感じます。もちろんまだまだ完全とはいえないですし、間違った認識をしている部分もあるかと思いますが。

結果的には少し遠回りすることになってしまったのかもしれませんが、自分自身で試行錯誤したことによって解像度が上がって非常に勉強になったのでムダではなかったと思い…たいですw

1つ前の記事で書いたことは今後も全て使えますしね。

低糖質高脂質に寄せるのではなく、

血糖コントロール、腸活をしながら良質で適量な脂質からメリットを享受するのがコーヤマ式ファットアダプト、ということにしたいと思います。笑

ということで長友式ファットアダプト実験は一区切りとし、バランス型に移行してまたいろいろ試していきます。

より健康で元気に運動する生活を送って、ついでにパフォーマンスアップもできたら嬉しいね!

Rice On !!

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