こんにちは!コーヤマです!
2ヶ月ほど前にサッカーの長友選手の書籍を読んでから「ファットアダプト食事法」に取り組んできました。
いろいろ試行錯誤してみて、考えがまとまってきたのでそれについて記したいと思います。
ファットアダプト食事法って?
ファット(脂質)にアダプト(適応)する食事法のことです。基本的には一般的なPFCバランスと比べると低糖質高脂質の食事になります。
メリットとしては、
・筋肉の質が変わり、怪我しにくくなる。
・免疫力が向上し、病気になりにくくなる。回復力が向上する。
・血糖値の上下が少なく、食欲もコントロールしやすいため太りにくい。
・脂質、脂肪を効率的に使える身体になる。
などが挙げられます。
実際に長友選手はこの食事法に取り組んでから身体のキレが増し、パフォーマンスが大幅に向上したうえで(筋肉由来の)ケガをしなくなったそうです。
私はそれまで高糖質低脂質に寄った食事を続けており、トライアスロンを始めてからケガや体調不良に悩まされてきていたので思い切ってチャレンジしてみることとしました。現在はトライアスロンは休止して自転車のみですが。
実際に行ってみて感じたこと
一番は、この食事法は思った以上に気をつけなければならないことが多く、一歩間違うと健康を害する恐れがあるということです。注意する点としては、
①糖質を少なくしすぎないこと
②脂質はいくらでも摂っていいというわけではないこと
③食材、特に脂質の質にこだわる必要があること
④腸活に取り組むこと
スポーツ選手としてのパフォーマンスアップのことを考えず、健康のために行うだけでもこの4つはマストでしょう。まずはこれらについて解説します。
健康になるために取り組んでいるのに不健康になってはいけませんのでポイントを抑えましょう。
①糖質を減らしすぎない
これは長友選手の書籍にもありました。極端な糖質制限をすると失敗する、と。
低糖質といっても一食あたり50~60g程度の糖質は必要でしょう(体格にもよります。長友選手は68kg)。白米でいうと0.4~0.5合ですね。それを3食。
あまりにも糖質が少ないとすぐにエネルギー切れを起こしたり、集中力がなくなったりします。脳のエネルギーは糖質オンリーで脂質は使えません。
また、極端な糖質制限をすると代謝が落ちて痩せにくく太りやすい身体になります。糖質制限ダイエットは長い目で見るとほぼ100%リバウンドします。
低糖質高脂質にこだわるあまり糖質を敵視してはいけません。
②脂質ならいくらでも摂っていいというわけではない
書籍だったり専門家だったり…「糖質を管理していればタンパク質と脂質は基本的に好きなものをお腹いっぱい食べてよい」とか言ってきますが…
そんなわけあるかい!w
彼らの言い分はこうです。
「そんなに(健康を害するほど)食べられるわけないからw」
いやフツーに食えるが?w
彼らは牛丼特盛とかびっくりドンキーの300gとかを食べられるぐらいでも一部の選ばれし大食いの民だと思ってますね。舐めてますね。
私も初期は胸焼けしない程度に食えばええんやろ?とガンガン食べていましたがこれは失敗でした。短期なので明確に体調を崩すというわけではありませんでしたが自転車での心拍数が上がりまくりました。
脂質の摂り過ぎは心臓への負担を増大させます。限度があるので気をつけましょう。
ちなみに長友選手の献立では1日あたり200gぐらい摂っている日もありましたが、ちょっと多いかなと感じています。相当質が良ければギリギリ成り立つレベルなのかな。
ということで…
脂質の質にこだわる必要がある
一口に脂質といってもその種類は様々です。飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、一価不飽和、多価不飽和、その中からもさらに枝分かれして…。。
とりあえずトランス脂肪酸は論外なので絶対に避けましょう。さらに過酸化脂質。これもダメ。加工食品と揚げ物をやめればかなり避けられます。
基本的には「食材をそのまま」に近い状態で食べることが望ましいです。加熱が必要なものは茹でたり蒸したりで、180℃以下に抑えるとよいです。理由はオメガ3脂肪酸が180℃で酸化するから。焼くのはあまりよろしくないです。揚げると脂質の交換が行われるのでこれもやっぱりよくないです。
さらに、脂質の総量がかなり多くなるので、飽和脂肪酸の量を目一杯抑える必要が出てきます。質の良い脂質にもある程度は含まれているので、質の悪い脂質を摂る余裕はありません。飽和脂肪酸の摂り過ぎはLDLコレステロールや中性脂肪の増加を促し、脂質異常症の原因となります。
ちなみに飽和脂肪酸は総カロリーの7%以下にしましょうという基準があります。ファットアダプトをやっているとほぼ不可能に近いです。一般的な食事でも結構厳しいぐらいです。その分をオメガ3脂肪酸等のLDLコレステロールを減らすような脂肪酸で打ち消す必要があるのでしょう。もちろん摂り過ぎはダメ。
なので動物性脂質をかなり少なくする必要があり、肉を食べるスペースがほとんどなくなるぐらいです。動物性脂質は肉、卵、乳製品等です。魚は(動物性食品ではありますが)含まれません。よって主力は魚と植物性脂質です。卵は動物性ですがメリットが多いのでアリです。私は以前アレルギー検査で卵白にほんの少し反応が出たので基本的には1日1個、多くても2個までにしています。
さらに、植物性脂質も何でもいいというわけではありません。むしろかなりダメ!というものがあります。具体的にはサラダ油やキャノーラ油のようなものや、加工食品に含まれている「植物油脂」等です。加工食品の植物油脂はだいたいパーム油等の質の悪い油です。不飽和脂肪酸の中でも、オメガ6脂肪酸は極力減らした方がよいです。
仮に1日200g脂質を摂るなら、これぐらいはやらないとダメでしょう。総量が多い分、相当気を払わなければならないと感じました。
私も初期の頃は(当然トランス脂肪酸や加工食品を避けていましたが)、アブラを摂るために脂身の多い肉をガンガン食べており、自転車での心拍数が上がりまくって動物性脂質の摂り過ぎが原因だと気づきました。完全に失敗でした。
問題は…体重になかなか表れてくれないので気付きにくいところです。いつの間にか血液がドロドロになっている可能性があります。糖質と脂質が結びついて体脂肪になるため、どちらかが少ないと直ちに太るということはなかなかないのです。
また、魚についても鮭やサーモンのハラスや、ブリ系のカマ等、脂が異常にのっている部位については量を控えめにしておいた方が良いかと思います。
タンパク質についてはこれらに気をつけていれば自然と摂れます。というかタンパク質過剰にならずに質の良い脂質で高脂質にするというのはかなり難しいです。
腸活も必要
糖質と脂質中心の話をしてきましたが、野菜やキノコ、海藻などを多めに摂るのは当然大切です。これはファットアダプトに限らずどんな食事法でも共通しています。
ビタミンミネラル食物繊維、しっかり摂っていきましょう。
…というのは私も百も承知で野菜や納豆等はしっかり食べていた(つもりだった)のですが、最初の3週間ほどは便がカタいことに悩まされました。便秘や下痢というわけではないのですが、とにかくカタくてケツが痛い!裂けるってマジで!w
そこでより腸活に励むようにしたら改善して毎日素晴らしい一本〇ソがスルっと出るようになったのですが…。
ファットアダプトな食生活では糖質が少ないので、すなわち穀物(主食)の摂取が減ります。何が言いたいかというと穀物(主食)から摂取する食物繊維が減ります。これが案外見落とされがちなのかと思います。
私の場合それまで高糖質の食事だったこともあって振り幅が大きかったのでしょう。サツマイモをバンバン食べていましたし、白米ですら冷やせばレジスタントスターチが結構あります。
具体的には白米にもち麦を混ぜるようになってからかなり改善しました。もち麦や押し麦等の大麦にはβグルカンという水溶性食物繊維が豊富に含まれています。水溶性というのがミソですね。不溶性より摂りにくいので。
また、夕食をオートミール主体にしたり、ぬか漬けを取り入れたりといろいろ腸活をしています。腸内環境が体調をつくるといっても過言ではないので、ファットアダプトに限らずおススメです。
先ほど脂質の質にこだわる必要があると言いましたが、糖質の質にもこだわった方がよいということになりますね。まあタンパク質もですが。←全部やんw
いきなり食物繊維の量を増やしすぎるとお腹を壊すので少しずつやりましょう。
PFCバランスについて&あとがき
長友選手の書籍には2週間分の献立とPFCバランスが載っていましたので、それを全て計算してみました。まあ成分が全て正確ということはあり得ないでしょうし、トレーニング中の補給や間食は(記載がなかったので)含んでいません。1日3食分の参考値ということで。
平均摂取カロリー:3,117kcal/day
P:F:C = 22.5:57:20.5 となりました。重量だとP175g、F198g、C160gです。(※P、Cは4kcal/g、Fは9kcal/gで計算しています)
一般的に推奨されているPFCバランスがP:F:C = 13~20:20~30:50~60ぐらいであることを考えると、かなり脂質に寄っていますね。これがファットアダプト的に大多数の人にとって100%正解かと言われるとそうではないと思います。あくまで長友式ファットアダプトと捉えています。
長友選手は専属のシェフをつけており、食材や調理方法も含めてかなり良い環境で行っているのは間違いありません。プロアスリートなので当然なのですが、我々一般人にとっては健康的なファットアダプトを行うのはある程度敷居が高いともいえます。
私もいろいろ考えているとはいえ素人なのでどこまで正しく理解できているか、実践できているかわかりません。なんとなくでこのPFCバランスをマネすると脂質異常症になったりその前に体調を崩したりと失敗する可能性が高いと思いますので万人向けではなく、積極的に人に勧めようとは思いません。
また、長友選手はプロサッカー選手なので我々一般アスリート(?)にも適応できるのかなとも思いましたが、(超ウルトラロング等の一部を除いた)有酸素系の競技では調整する必要があると考えています。
実際に上記のバランスに近い食生活にすると、メリットをデメリットが上回ってしまうと感じました。年単位で取り組んだときにどうなるかはわかりませんが。
また、やってみると感じと思うのですが、クリーンな食事でこのバランスを実現しようとすると、どうしてもオリーブオイル等の純粋なアブラを添加したりする必要が出てきます。しかしオリーブオイルが身体によいかというと諸説あります。特に日本人には合わない場合が多いという可能性があります。私も序盤は朝晩20gずつぶっかけたりしていましたが今はせいぜいひと回しする程度に抑えています。おそらく無理に摂るものではありません。
最終的に、私は低糖質高脂質の食事はやめることにしました。
ここまでで長くなってしまったので、そのあたりは次の記事で。
次回:「ファットアダプト考察その②。~自転車競技、有酸素運動へのアプローチ~」
※書きました。こちらもどうぞ。↓

Rice On !!
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